ベルベーチェルルーム 思いつきの話

「で、絵はできたんですか?」


「もうちょっと、もうちょっとだ。」


「”今だしても評価されないからださない”とかいうオチはやめてくださないね」


「やらんわ!・・・あれはなんというか、偏見だよな。実際そんなひねくれ方をしている人は少ないと思うぞ」


「まぁいいでしょう。ところで、彼はまた別の定期更新ゲームに手を出したのですが」


「ちょっと待て。俺には何も知らせがなかったぞ」


「それはそうでしょう。あなたでてませんからね」


「・・・ッッ!」


「つまり、また別のキャラクターを出したわけですけども、名前をね、すごく適当に決めたそうなんです。けどね、その名前の意味を調べてみると・・・」


「割りと世界観の設定とマッチしそうなんですって。面白いですね、人間の拡大解釈というか、無理やりつなげようと思えばつなげるみたいな勢いというのは」


「お、おう」


「思うに、創作物というのは無理やり、というか、勢いが無ければ生まれないものなのかもしれませんね。赤ちゃんというのは母体から重力で下にボトっと落ちてきますけども、そういう生まれざるを得ない力というのは、普通創作物に対しては効いていない気がします」


「赤子は産まれるように作られているが、創作物はそうではないと?」


「少なくともあまり物作りが得意でない私からすると、そう思いますね。ただ切り口はあるし、こじつけようと思えばいくらでもあるから腐るなよ、と」


「それはあいつに対して言っているのか、自分に対して言っているのか」


「まぁ、同じことですね」


「そうだな」