他への干渉権限は果たして自分にあっていいのか
彼が行き過ぎた質問をし、あいつが顔を赤くしたとき、俺は彼を殺
してやろうと思った。
と同時に、どうして気付かなかったんだろうと自分を責めた。
でも、理解してあげることなんてできるわけがなかった。
相手とかかわりを持たないのだから、不可能に決まってる。
本当のところ、いつも大切な機会を与えてくれるあいつに、何も言
ってあげられないことが俺の普通になってきた。
要は、ここ一番の度胸が無くて、大事なことをうまく伝えられなく
なっている。
というか、ずっとまえからそんな調子だった。
話せばいいものを、話せないものだから、心の整合性がとれず
離せばいいものを、離せないものだから、いつまでも同じ調子で日
ばかりが経つ。
けれども、以前と比べるとそんなものは些細なストレスにすぎない
。
不自然なやりとり、不自然な理由、不自然な発言。
自分も以前はそんなかんじだった。
どうして気付いてあげられないのか
俺だけでなく、周りの人間みんなが。
そんなわけで、俺は世の中が嫌いになった。
63億99999999人が笑っていても、あと1人が泣いていたら気がすまない。
そういう状態なんやけども、なんともまぁ、人として自然なことか。
俺は至極健康なのに、そばに不健康な人間がいるのが気に喰わない。
相手はもっと健康で、だからこそ力をたくさんもらっていたのだと思っていたのに、相手のほうがもっとつらかったというのだからもうたまらない。
何年も前からこういう立場に立たされ続けて、いつもこちらがわの圧倒的敗退で事を進めてきた自分にとって、今の状況はとてもつらい。
自分がつらいときよりもつらい。
いや、実際精神はつらくはないけど、どうしていいかさらさらわからない。
そして、わからないことが許されない状況であるわけで。
さささ、脳が解けるまで考えよう。
わかるまで、全部わかるまで。
これを解決できたら、もすこし幸せになれるぞ