重さを入れるとすれば

重さの概念をゲームにどう持ち込むと面白くなるか、ということを少し考えてみる。

まず、重さの概念とは、ゲームにリアリティを付加する。


物理法則が常にゲームの世界に適用されることはリアル路線のFPSや3Dアクションにおいては至極当たり前になってきていて、その適用範囲は存在するオブジェクトの一つ一つにまで及ぶ。

ビル群のステージならそのビルのすべてに当たり判定があって、ロケットランチャーがあれば破壊できる、ここらへんも物理法則だと考える。

破壊に特化したゲームにおいては、建物の壊れ方は一様ではなく、武器の威力、貫通力、爆風などのステイタスによって、半壊したり全壊したり窓ガラスが割れるだけだったりする。

その多様なフィードバックは、現実でそうなるかどうかはおいといて、ゲームにおいてはリアルだ。「それくらいの威力なんだね」と思わせられる。



別に壊れなくてゲームとして成立するけど、あたって、壊れるならよりリアルだよね、と思う。



物にエネルギーを加えれば壊れる、ということだけが物理法則ではなくて、地面に向けて重力がかかっているだけで、面白くなるゲームの例というものもある。


そう考えると、僕は忍道-戒-よりも影牢よりも先に、タイトルも知らない親戚の家のWindowsに入っていたあるゲームを思い出す。


面クリア方式のパズルゲームなんやけど、最初の面はボーリングの球をいかに高いところにあるバスケットゴールに入れるか、みたいなステージだったことを覚えている。

ピタゴラスイッチみたいな装置を、何度もリプレイしながら作っていく。

それはジグソーパズルのようで、積み木のようで、それでいて比較的制約のない遊びだった。

何も手を加えなければ、ボーリングの球は重力により上から下に落ちてしまう。

そこにレールを置き、滑車を置き、ロープでつなげ、テコをつかい、挙句の果てには花火、大砲、ロケットに「なんらかの方法」で引火させ、利用し、バスケットゴールにボーリング弾をシュートする。

答えは最低1つはあり、その過程は自由、という、僕の中のゲームの定義と今思えばガッチリとあてはまるゲーム性をそれはもっていた。

重力という制約が、過程に自由度を与えるのかもしれない。



だから、僕の求めるゲームにも、きっと物理法則・・・ある程度のリアリティというものは必要なのだろう。



現存のゲームに存在する重さの概念では、洋RPGの「持ち物をどれだけ持てるか」が一番認知されているような気がするけど、僕が好きなんは、忍道-戒-の「重いモノほど、敵にあてたときに威力が高い」というもの。


戦闘するゲームなら、それだけでいいんじゃないかな、ト思えるくらい好き。

シンプルでわかりやすいリアリティって、コレかなーと思う。


龍が如くでは灯篭だろうがイスだろうが同じウェイトの如くぶん回し投げ飛ばす伝説の極道がいるけど、灯篭もっと痛いだろう重いだろうという・・・


せっかく「リアティじゃない、リアルなゲーム」を掲げているのに、重さを適当にセットすると、下手をすればバカゲーのようになってしまう気がする。

別にバカゲーでも楽しいんだけども。3のカラオケとかは笑ったし。


忍道はほんと重さが武器になるというか、物理演算に関して結構頑張ってるし、現地のモノを活用するだけで面クリアも不可能じゃない作りなんだよなー。

そこらにあるお地蔵さんとか、卒塔婆とか高いところから投げて敵兵気絶さすとかね。


斜面に岩召喚してゴロゴログシャ、みたいなのって、トゥームレイダーですでに表現としてはあったけど、要は自分がそれを行使できるかってことなんだよな。影牢みたいに。


そのへん、オブリビオンとかの魔法:念動力とかは勿体無い。
モノを敵にぶつけられたりしたらよかったのに。


一応重力を利用したトラップでは丸太の罠とか落石とかでてくるけど、一度きりのプチイベントみたいなものだし、プレイヤーの創意工夫で利用する、というものではない。


きっと少なからずゲームが好きな人は、ナルトとかジョジョとかみたいな戦闘がやりたいもんだと思っている。

でも、版権でつくられるゲームはただ格ゲーで。


マンガの中にある高度な戦闘というものはまだ実現されなくて。


きっとシンプルなパワーとパワーのぶつかり合いというものはドラゴンボールが既にゲームにおいても描いてしまったものだから、かめはめ波うてなくてもいいから、やたらとリアルな選択肢が欲しいんだよな。


それで、僕にも実装が可能そうなのが、武器ごとに重さをセットする程度で、それだけでゲームつくりたいなーと思っているんだけど、なかなか・・・(進歩がない)


ほんと面白いかどうかもわかんないから、プログラムできないのにプランだけ3つも4つもあって、どれにも手が伸びないって最悪だ。


ともかく、刀ではなくメイスで鉄の鎧をぶっ叩くのが吉だったり、重い戦斧が長剣をへし折ったり、騎兵の体重は全て槍の先端に乗るようなゲームは、素敵だなーと思うのです。


平和な感じの重さの楽しさは、まだ思いつかないなー。