オルタード・カーボン

オルタード・カーボン(上)

SFな世界観のネタが欲しくて手に取った作品。

人間の魂がデジタル化されたチップとなり、外見を次々と入れ替えてヒトが永遠に生きられる世界で、バイオレンス、性描写、主人公のインモラルなパワーが魅力的、な作品、なのかなー。


俺が読んできたSFはハイテクが倫理を破壊して、ヒトがヒトとして扱われない世の中で、どう生きるか、みたいなノリが多い。これは一貫したSFのテーマなのかな。


なぜか未来は退廃的で、今よりも生々しい生がある。クロノトリガーでも、銃夢でも、そんなかんじだよね。

死を超越した世界ですら、暴力とセックスが溢れていて、エンターテイメントの本質が変わっていないのか。

あと、武術に関するネタも欲しくてもう一冊よんだんだけど、総じて小説における戦闘シーンって、あっけないなぁという。


1行、ないし3行の、それほど楽しめない記述で戦闘シーンが終わってしまう。

そこらへんは以前読んだ侍モノの著者の方が上手だなぁと思った。

文字は、それほど面白くなくても書けてしまう分、難しいなとも思う。

絵なら下手というのは誰でもわかるし、音がシーンに合っていないというのはもなんとなくなら感じられるけど、文章って、どうなんだろうね。


コンセプトからすこしはずれた部分を書く時、たとえばミステリー、探偵モノで戦闘シーンを書く時とか、どれくらい詳細にかけばいいのかとか、誰が決めるんだろう。

いやそりゃ著者とか編集が決めるんだろうけど、クオリティがたりませんね、ってなったらどうするんだろうねという話。